2025年9月10日
論文紹介6 ~川瀬智大君の論文~
修士課程1年生の川瀬君の論文がEuropean Journal of Inorganic Chemistryに公開されました。記念すべき長川研配属生の第一報目です!
これまで硫化カドミウムに適用してきた大気中での溶融塩処理法を、ドープ型硫化亜鉛(ZnS)へと展開しました。その結果、熱処理時間を短時間に制限した場合、バルクZnSの転移温度(1020 °C)よりも低い600 °Cでzincblende構造からwurtzite構造への転移が起こることが明らかになりました。さらに興味深いことに、熱処理時間を延長すると、再びzincblende構造へ戻ることも確認されました。特に得られたwurtzite構造のサンプルは、未処理試料や長時間処理した試料に比べて高い水素生成活性を示しました。今回作製したZnSは、別テーマとして検討を進めている「光エッチングプロセス」や光電極用のベース材料としても活用していく予定です。川瀬君、おめでとうございます!