2026年4月27日

論文紹介10 ~光腐食反応を基盤とした光触媒の設計~

投稿者: Haruki

 長川が学部4年生の頃(もう9年前になりますが…)から検討を続けてきた、「光触媒の光腐食」に関する和文総説が、色材協会誌に掲載されました。
 光腐食反応とは、光触媒で生成したキャリアが光触媒自身と反応してしまい、材料が劣化・分解する現象です。安定性と高効率を両立させる上で、長年悩まされてきた重要な課題の一つです。永田研在学時には多様な抑制手法の開発に取り組み、立間研在籍時には結晶面選択的な光腐食を見出しました。近年では、自己最適化へと発展させた系や高度な加工への応用など、光腐食を「制御可能な現象」として扱える段階に進みつつあります。
 本総説では、光腐食を軸として、これらの原理・抑制手法・活用手法を体系的に整理し、これまで弱点として捉えられてきた反応を強みとして再定義する内容になっています。この加工技術はまだ汎用化という点では課題もありますが、材料開発だけでなく、反応サイトの可視化や高効率な光改質など、基礎から応用まで広がる研究として今後も発展させていきたいと考えています。