Research

新規光触媒及び合成プロセスの開発

 光触媒の性質は、その元素組成や、結晶性、粒子形状、複合材料等によって異なります。
 我々は、光触媒の合成・複合プロセスを新たに開発し、新規な複合光触媒や、特殊な形状の光触媒を作製しています。

2段階液相合成による3元系光触媒
1. International Journal of Hydrogen Energy, 2018.
2. ACS Omega, 2018.

pH制御によるコアシェル型光触媒
1. RSC Advances, 2020.
2. ACS Applied Materials & Interfaces, 2021.

MOFを前駆体として用いた高結晶性光触媒
1. Advanced Materials Interfaces, 2022.
2. ChemPhotoChem, 2024.

溶融塩中での熱処理による高結晶性光触媒
ACS Applied Energy Materials, 2022.

トラップ電子を用いた助触媒の還元析出
1. Physical Chemistry Chemical Physics, 2023.
2. The Journal of Physical Chemistry C, 2023.



「光改質」「水分解」による水素製造

 エネルギー枯渇問題の解決には、持続可能な手法でエネルギーを生産する必要があります。光触媒を用いることで、太陽光のエネルギーでクリーンな燃料である水素を製造することが可能です。
 光改質反応(フォトリフォーミング)では、光触媒反応によって水を還元し水素を製造するのと同時に、廃棄物を酸化し分解・改質します。高効率の反応系が実現すれば、家庭や工場、農場等で生じた廃棄物をその場で分解し、水素や液体燃料に変換することが可能になります。
 水分解反応では、光触媒反応によって水を水素と酸素に分解します。生成した水素は燃焼しても水に戻るため、エネルギーサイクルに二酸化炭素が関与しません。

有機廃棄物(燃えるゴミ)の光改質による水素製造
1. ACS Applied Energy Materials, 2021.
2. ACS Applied Materials & Interfaces, 2021.
3. Advanced Materials Interfaces, 2022.
4. ChemPhotoChem, 2024.

光腐食を抑制した硫化物光触媒による水分解
1. ACS Applied Energy Materials, 2018.
2. RSC Advances, 2020.



光触媒反応における電子移動メカニズムの解明

 光触媒反応が発見されてから、100年以上経過した現在でも、その電荷分離の機構やエネルギー構造は未解明な部分が多いです。特に、微粒子の光触媒は評価が難しく、その特性を明らかにする手法が求められています。

電子トラップ解析を用いた電子エネルギー構造の解明
1. RSC Advances, 2020.
2. ACS Omega, 2021.

硫化物光触媒に対する電子トラップの導入と定量
Physica Status Solidi A – Applications and Materials Science, 2024.

所有機器

  • ガスクロマトグラフ
  • 高速液体クロマトグラフ
  • ポテンショスタット
  • 紫外可視分光光度計
  • LED光源
  • ソーラーシミュレータ
  • 光量測定装置
  • 電気炉
  • 各種合成器具
  • 各種光触媒活性評価系

共通設備

  • ガスクロマトグラフ質量分析計 (GC-MS)
  • 紫外可視分光光度計 (UV-Vis)
  • X線回折装置 (XRD)
  • ショットキー走査型電子顕微鏡 (ショットキーSEM)
  • 高分解能差動型熱分析装置 (TG-DTA)
  • 顕微ラマン分光測定装置
  • X線高電子分析装置 (XPS)
  • ゼータ電位測定装置
  • 原子間力顕微鏡(AFM)
  • フーリエ変換赤外分光光度計 (FT-IR)
  • 飛行時間型質量分析計 (TOF-MS)
  • 400MHz 核磁気共鳴装置 (NMR)
  • 透過型電子顕微鏡 (TEM, 水戸キャンパス)
  • 電界放出型走査型電子顕微鏡 (FE-SEM, 水戸キャンパス)
  • 誘導結合プラズマ発光分光分析装置 (ICP-AES, 水戸キャンパス)
  • 電子スピン共鳴装置 (ESR, 水戸キャンパス)

研究助成

  • 第40回 2024年度 マツダ研究助成 2025年4月 – 2027年3月
  • JST 令和6年度戦略的創造研究推進事業 ACT-X 2024年10月 – 2027年3月
  • 一般社団法人カーボンリサイクルファンド 2024年度研究助成 2024年9月 – 2026年7月
  • 茨城大学 研究推進経費 Research Booster 2024年4月 – 2025年3月
  • 公益財団法人 天野工業技術研究所 2024年度 研究助成金 2024年4月 – 2025年3月
  • 2024年度 物質・デバイス領域共同研究課題 基盤共同研究 2024年4月 – 2025年3月
  • 公益財団法人 池谷科学技術振興財団 研究調査助成(単年度研究助成) 2024年4月 – 2025年3月
  • 公益財団法人フジシール財団 若手研究助成 2024年4月 – 2025年3月

  • 日本学術振興会 科学研究費助成事業 若手研究 2023年4月 – 2028年3月
  • 日本学術振興会 科学研究費助成事業 特別研究員奨励費 PD 2022年4月 – 2025年3月
  • 日本学術振興会 科学研究費助成事業 特別研究員奨励費 DC1 2020年4月 – 2022年3月