2026年8月25日

論文紹介13 〜光腐食の原理・抑制・活用に関する総説〜

投稿者: Haruki

 光腐食の原理・抑制・活用に関する総説が、Green Chemistry誌に掲載されました。Inside Front Coverにも採択されています。振り返ると、学部4年生で研究室に配属されて以来、約10年間にわたって「光腐食反応」と格闘してきたことになります。
 光腐食は、光触媒分野において克服すべき重要課題の一つです。太陽光を効率的に利用するためには、可視光による光触媒反応の駆動が重要ですが、可視光応答性光触媒には、光腐食によって自己分解しやすく、安定的な利用が難しい材料も少なくありません。永田研に在籍していた頃は、材料の複合化や反応系の制御などを駆使して、光腐食を「抑制する」ことに注力してきました。その後、立間研に在籍していた際に、光腐食を光触媒の形態制御や反応サイトの可視化に「活用する」可能性を見いだし、茨城大学への異動後は、その活用と制御についてさらに研究を深めてきました。
 本総説では、東北大学の岡先生、笠井先生との共著によるTutorial Reviewとして、これまでに明らかにされてきた光腐食の原理と、その抑制技術の進展を体系的にまとめています。さらに新たな視点として、従来は単に抑制すべき劣化現象として捉えられてきた光腐食を、光触媒材料の形態・機能制御に積極的に活用する考え方を提案しています。
 2017年から2026年まで、約10年間取り組んできた研究の一つの集大成となる総説です!ぜひご一読いただければ幸いです!